建設業界におけるキャリアアップ
建設業界におけるキャリアップは様々ですが、大きく3つに分かれてます。
TEAM-Zにおける賃金等の処遇はこれらを総合したものになります。
(1)各ゼネコン(元請)で定めている評価方法
元請会社(ゼネコン)は協力会社への処遇改善に取り組んでいます。
前田建設工業では、有能な技能労働者の待遇改善を図り、質の高い施工供給力を持続的に確保すること目的とした「MAEDAマスター・マイスター制度」を制定。
2024年度から新しく「MAEDAヤングマスター制度」を制定し、経験が浅くても、能力が高いことを認められた人も評価の対象となりました。
例えば、ヤングマスターαになると、一時金30万円が支給されます。高評価を受ければ、経験年数関係なく、前田建設マスターへ推薦されることがあります。
前田建設マスターとなると一日あたり2,000円インセンティブがUPします。年間労働日数245日(土日祝、長期休暇を加味)×2,000円=490,000円/年となり、年収が約50万円UPする仕組みとなっています。
前田マイスターは前田マスターよりも更にインセンティブがUPします。3年毎に評価行い、資格を更新することで更なるインセンティブUPが狙えます。
(2)各協力会社で定めている評価方法
前友会協力会社のキャリア実例
※下画像は一例であり、スキルや資格取得、会社に応じてその処遇は変わります。
前友会協力会社「A社」重機オペレーターの昇進モデル例
経験年数
0年目~年収350万
3年目~年収400万
5年目~年収450万
10年目~年収550万
15年目~年収600万
20年目~年収650万
25年目~年収700万
前友会協力会社「B社」施工管理の昇進モデル例
経験年数
0年目~年収420万
5年目~年収500万
10年目~年収550万
15年目~年収650万
20年目~年収750万
25年目~年収790万
30年目~年収830万
金属工事会社Cの福利厚生情報
資格手当、資格取得費用支給
扶養手当、住宅手当、深夜手当
休日手当、通勤手当、従業員紹介手当
会社Cに勤めるCさんのモデル
年齢:50歳
職種:金物製作工
経験年数:35年
役職:部長
年収:800万円
鉄筋工事会社Dの福利厚生情報
資格手当、役職手当(主任・職長等)、その他大幅な利益をもたらした者・困難な現場をこなした者・表彰対象現場に該当した者を随時評価
会社Dに勤めるDさんのモデル
年齢:22歳
職種:鉄筋工
経験年数:4年
役職:なし
年収:400万円
土木・建築工事会社Eの福利厚生情報
資格手当、資格取得費用支給、
扶養手当、単身手当、住宅手当、
食事手当、通勤手当、休日手当、
深夜手当、出産祝金、傷病手当あり
E社に勤めるEさんのモデル
年齢:35歳
職種:重機オペレーター
役職:職長
経験年数:16年
年収:600万円
設備工事会社Fの福利厚生情報
昇進/昇給×1回/年、役職手当
住宅ローン手当、交通費支給
出張手当、資格手当、家族手当
会社Fに勤めるFさんのモデル
年齢:49歳
職種:設備施工管理
役職:課長
経験年数:26年
年収:900万円
(3)日建連で勧めているCCUS
日建連(日本建設業連合会)ではCCUS(建設キャリアアップシステム)を推進しており、多くの建設会社はこの連合会に加入してます。
建設業の処遇改善のため、建設業を初め国全体で取り組んでいる評価システムです。
CCUSを登録することで以下のようなメリットがあります。
MAEDA教育支援
技能者の更なるスキルアップのため、前友会協力会社に向けて、前田建設との合同研修を実施しています。
【過去の実績】
①前友会と前田建設新入社員合同研修
前田建設新入社員と共に研修を受講し、社会人マネーから建設業に関する基礎知識・スキルを習得する。オンラインか対面での受講を選択できる。
②前友会会員への基礎スキル教育
Office・CAD・BIM 等の操作演習、資格(施工管理技士他)取得へ向けた教育研修を実施する。
③難易度の高い施工が要求される物件における施工検討・指導等による施工技術教育
特に地方支店・地域において、職員および協力会社も施工経験が少ない大型・特殊物件における施工計画・現場指導を行う。
④現場技術・施工管理手法の実地教育
特殊工法やICT 活用による優れた施工管理を行っている現場における実地教育等により、前友会社員の技術的および施工管理手法の向上させる。
⑤Z塾(関西支店)
施工管理、各種工事の基礎を勉強する関西独自の研修。
⑥階層別教育と資格取得サポート(九州支店土木部門)
前田建設職員と共に、安全・環境・品質・コンプライアンス・情報セキュリティに関する教育を実施。1級土木施工管理技士の資格取得サポートする教育を実施。
⑦ドローン研修
建設現場において、ドローンの活用事例が増えているため、技術向上、ドローン飛行ルールの確認、写真・点群データ活用について勉強。
建設業界の資格
資格を持つことで、会社ごとに能力給が付き、賃金がUPすることがほとんどです。
建設業における代表的な資格や専門分野の資格を紹介します。ここに挙げている資格は一部であり、他にも多数存在します。
【主要な国家資格】
- 建築士(1級,2級)
- 施工管理技士(建築,土木,電気工事,管工事)・・・それぞれ1級と2級あり
【技能検定】
技能検定は各専門分野別の資格です。建設関係の代表的なもの記載します。
造園、建築板金、冷凍空気調和機器施工、石材施工、 建築大工、とび、左官、ALC施工、タイル張り、配管、型枠施工、鉄筋施工、コンクリート圧送施工、防水施工、樹脂接着剤注入施工、内装仕上げ施工、熱絶縁施工、カ ーテンウォール施工、サッシ施工、自動ドア施工、バルコニー 施工、ガラス施工、塗装
【技能講習】
- 足場の組立て等作業主任者技能講習・・・主に鳶工
- 高所作業車運転技能講習・・・10m以上の高所作業車が運転できる
- 地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習
- 玉掛け技能講習・・・揚重する場合には必ず玉掛けするため、ほぼ必須です。
- 車両系建設機械(整地運搬積込み用及び掘削用)運転技能講習
- 型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習・・・主に型枠大工
- 建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習・・・主に鉄骨工
- 石綿作業主任者技能講習・・・主に解体工
- 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習・・・金属アーク溶接が特定化学物質に該当します。
- 金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習・・・主に鍛冶工
- 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習・・・坑内、ピット内での作業に必須です。
- 有機溶剤作業主任者技能講習・・・塗料などほとんど材料が有機溶剤です。
- ずい道等の掘削等作業主任者技能講習・・・主にトンネル工事
【特別教育】
- フルハーネス型安全帯使用作業特別教育・・・現場作業において2m以上の高所で作業する場合はフルハーネス型安全帯の使用が義務です。
- 足場の組立て等の業務特別教育・・・主に鳶工
- 車両系建設機械(整地運搬積込み用及び掘削用)の運転業務特別教育
- 自由研削用といしの取替え等の業務特別教育
- 低圧電気取扱い業務特別教育・・・
- 酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育・・・坑内、ピット内での作業に必須です。
- 石綿取扱い作業特別教育・・・主に解体工
- 高所作業車の運転の業務特別教育・・・10m未満の高所作業車が運転できる
- アーク溶接取扱い業務特別教育・・・主に鍛冶工
【最後に】
建設業に関する資格は多数あり、取得した資格は生涯有効となります。会社によっては、「資格給」が存在し資格を取得することで、給与に反映され、キャリアアップとして大きなアドバンテージとなります。建設業で働いてみようと考えている方は、資格の取得も視野に入れて会社や職種を検討してみましょう。